大変ご無沙汰しております。
歴文館日誌を更新せずにいる間に、すっかり道路も凍り付き、盛岡は冬らしい装いになりました。
2018年は間もなく終わりとなりますが、もりおか歴史文化館で開催中の企画展「器百様 ―土器と鉄器と食器と武器と―」は、まだまだ始まったばかりです。

久しぶりの「企画展の窓から」では、企画展「器百様」で言うところの「器」とは何なのか、と言った小難しい話をさせていただきます。

皆さま、「器」と聞いたら何が思い浮かびますか?
おそらく、お茶碗、湯のみ、どんぶりあたりが脳裏をよぎる方が多いのではないでしょうか。

それらの共通点は、いわゆる「やきもの」の「食器」であることです。
なるほど確かに「やきもの」も「食器」も、すべての人がほぼ毎日使うものですから、馴染みも深く思い浮かびやすいでしょう。何なら、「器」と書いて「やきものの食器」と読んでも差支えないのではないかとすら思えるほど、「器」と言えば「やきもの」、「器」といえば「食器」の図式はしっくり来ますね。

それは、認めましょう。

しかし、しかしながらです。
果して「器」とは、本当にそんな小さな規模に納まるものでしょうか。
いいえ、違います。「器」は本当はもっともっとスケールの大きなヤツなんです。

皆さまご存知のなんでも載ってる辞典「広辞苑」の「うつわ」の項によれば、器とは
 ①物を入れおさめるもの。いれもの。転じて一般に器具。道具。
 ②事を担当するに足る才能。器量。また、人物の大きさ。
のこと。

続いて、広辞苑よりさらになんでも載ってる辞典、「日本国語大辞典」通称「ニッコク」をめくってみましょう。

こちらのページをパラパラとめくりますと、「うつわ」の項には「古くは”うつわもの”の語形をとる」とあります。
ということで、ニッコクの「うつわもの」の項を見てみますと、
いれもの、器具、道具、器量、才能、という意味に加えて「什器」「楽器」という語義が加わります。

このような「器」という言葉の意味を考え、できうる限り視野を広げ、「器」という言葉の定義の中でどこまで意外性のあるものをご紹介できるだろうか、というチャレンジをしているのが、企画展「器百様」です。

「器」とは、入れ物のこと。
「器」とは、道具のこと。
「器」とは、ものの機能や人物の才能や人格のこと。

 

 

 

 

 

本展のキャッチフレーズは、まさに「百様」どころか形なきものまで、色々な「器」の在り方をご覧いただきたいという思いが込めてあります。
残念ながら網羅できていない部分もありますが、きっと今皆さまの頭に思い浮かんでいるラインナップから外れた、「ちょっと変な器」や「え?これも器?」と笑ってしまうような「器」、若者にはわからなくてもおじいちゃん・おばあちゃんなら使い方のわかる色々な道具に出会える場所になっていると思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これからの年末年始のお休みに、ぜひご家族でお越しくださいませ。
それでは皆さま、メリークリスマス!

 

【次回予告】
 次回は ①「第1章”先史の器”」 ②「展示室内での遊び方」の、2本立てでご紹介します。
 できれば今年のうちに更新したいと考えております。