今日も含めてあと2日で2017年も終わりですね・・・。年末年始は皆様どのように過ごされますか?

今回は開催中の企画展「もりおか冬事情 ―寒さと戦う・冬を楽しむ―」から盛岡における冬の時期の風物詩や年中行事をご紹介します。

 

こちらは「南部物売り振れ声」という資料で、昭和の半ばごろに「最近物売りたちの声が聞こえなくなったなぁ・・・、記憶しているのを残しておこう!」と(おそらく)「気侭庵主人」という人物によって出版されました。

この「気侭庵主人」とは、盛岡の近江商人「近文」の3代目 村井文治のことで、かわいい挿絵は洋画家 五味清吉(1886~1954)に師事し、岩手県初の洋画団体「北虹会(ほっこうかい)」の創設(明治41年)にも携わったという北田清二郎によって描かれたものです。

寒風吹きすさぶ中、一生懸命納豆や粉なんばんを売る子どもたち。「みづ木 ラーー ゝ ゝ」と小正月飾りのミズキを馬橇にのせて売り歩くおじさん、他にも薪売り、大根売り、山とど(鹿や猪など獣肉)売り等々。物売りたちの振れ声を聞き、きっと昔の人たちは「もうこんな季節か!」「あっお正月の準備をしなくちゃ」などと季節の移り変わりを感じていたのではないでしょうか。

 

昔ながらの風物詩や行事がだんだんと変わっていく・無くなっていく・・・、今も昔もその不安はあったようです。「歳末歳首祝式及飾付次第」(昭和4年)は南部家の年末年始における行事をまとめたもので、巻末に時流により従来の行事の内容が変更されることを憂慮し、参考のために記録する旨が記されています。正月飾りの作り方や配置、料理の事、行事の行い方などがかなり詳しく書かれており、展開場面は正月飾りの一種である「蓬莱」の作り方が文章と図で示されています。南部家の「蓬莱」のこだわりは、必ず松の上から米の粉をかけて「雪降ノ松」にすることだとか。

 

江戸時代、盛岡城下で呉服・古着などを商った豪商中村家(通称「糸屋」「糸治」)に伝わる「糸屋年中行事帳」(文政8年)【盛岡市中央公民館所蔵】にも、冒頭に「時代と共に物事は変化し、良いものは加え、不益なものは除いていく必要はあるが、これ(本資料)を見て本質は失わないように」と記されています。昔から日本人は伝統行事が失われていくことに不安を感じ、また大切にしてきたことがしみじみと感じられます。

 

続いて戦中・戦後の盛岡の暮らしを描き、書き綴った菅森幸一さんの「ジジからの絵手紙」より、年末の子ども達の様子を見てみましょう。

想像以上に忙しい! そして雉さん(国鳥・県鳥、選ばれる前ですが・・・)!!

しかしこうやって大人の手伝いをしていたからこそ、親から子へ、そして孫へとその地域や各家の行事を伝えていくこができる・・・。本展ではイラストひとつひとつに菅森さんによる詳しいエピソードもついていますので、ぜひじっくりとご覧になってください。

 

他にも「冬の暮らし ~晩秋から冬の年中行事~」のゾーンでは平民宰相 原敬のお家の年越・元旦の祝い膳、寒念仏や裸参りの写真など様々な資料を展示しています。特に幸福をもたらす七福神を題材にした花巻人形や宮古地方の御飾りは、初夢にそなえて一度ご覧になってはいかがでしょうか。

 

それでは皆様、楽しいお年越し、そして良いお正月をお迎えください。