(昨日・今日とまた冷え込みましたが)盛岡もだんだん暖かくなってきましたね。

歴史常設展示室のラウンジから見える桜も、蕾が大きくなってきました。間もなく盛岡でも桜の開花が始まるこの時期に、現在当館ではテーマ展「花づくし」を開催しております。

今回は展示資料18点の中から、一部をご紹介していきます。

 

展示室に入り、トップを飾るのは跡見玉枝筆の「桜花帖」。玉枝は明治~昭和初期に活躍した日本画家で、「桜の画家」と称されるほど桜を愛し、描きつづけた人物です。この「桜花帖」に描かれている桜は新宿御苑(現国民公園)の桜といわれており、58種類もの桜が2冊にわたって描かれています。空間をいかし、柔和ながら写実的に描かれた桜に思わずうっとり・・・。

また、跡見玉枝は南部家43代当主 南部利淳に嫁いだ南部嚴子(旧鳥取藩主 池田輝知の娘)が幼いころから師事していた人物であり、実は南部家ともゆかりの深い人物です。展示室には南部嚴子(雅号:玉栄)が描いた「桜花図」も展示しておりますので、師匠と弟子の作品が一度にご覧いただけます。

 

つづいて「百の花の王」、地位や身分の高さの象徴ともいわれる「牡丹」が描かれた「黒漆地四方高蒔絵牡丹文硯箱」。

ゴージャス!! 画像は蓋の裏側部分です。美しく咲き誇る牡丹の花の中を歩く仲睦まじげな雌雄の孔雀が高蒔絵で表現され、雄の孔雀の羽には螺鈿が施されています。

硯箱本体はもちろん、水指も牡丹の花で表現されていますので、ぜひ間近でじっくりとご覧ください。

 

さて、次は南部家の女性が身に纏った装束からのご紹介。

ご覧になった方の多くが、「これは一体なに・・・?」と不思議な顔をされるこちらは「提帯」と呼ばれる帯になります。江戸時代の衣替えにあたる一定の期間に身に着けた帯で、両端に藁を束ね、和紙で包んだ細長い円錐状の芯が入っています。結ぶと後ろでピーンとトンボの羽のように横に張り出すという何とも不思議な形状になります。その上に袷や帷子をかけるので、帯の柄はほとんど見えなくなってしまうようなのですが、金襴や錦で美しく表現された花鳥などの柄は圧巻の美しさです!

 

この他にも「花」を題材にした美しい資料が展示されていますので、ぜひお気に入りの花を見つけにきてください。

 

※個人的に好きな資料、といいますかお花「イヌタデ」

「花鳥図双幅」島崎静村筆(大正~昭和初期)

可愛いウズラの横に生えている、これまた可愛らしいイヌタデの花。

イヌタデは、同じくタデ科の植物であるヤナギタデが薬味などに利用できるのに対して、特に何も役にたたないという意味で「イヌタデ」と名付けられたといわれています。そんな役にたたないといわれる「イヌタデ」の花言葉が「あなたの役に立ちたい」。何とも切ない気持ちになります。