現在開催中の「第3回もりおか歴史文化館自由研究コンクール作品展」(2021年10月16日~24日)!

3回目となる今回も、小学生の皆さんが盛岡の魅力を探求した力作が集まりました。

大変悩みましたが、今回受賞した研究作品をご紹介していきます。

 

【最優秀賞】

「いわての染めものマジック ―南部紫根染―」:飯岡小学校3年生 相浦美咲さん

 

江戸時代から盛岡に根付き、愛され守られてきた「南部紫根染」の歴史を実験とともに科学で紐解いた研究作品です。

疑問に思ったことを制作者にインタビューし、実際に自分で染色の実験まで行っています。

読み手が分かりやすく楽しく読める工夫が各所に施されており、満場一致で最優秀賞に決定しました。

当館は博物館施設なので植物の持ち込みはできないのですが、植物由来のものは密封する配慮もしてくれており、とても嬉しかったです。

 

【優秀賞】

「もりおかだしはかせになろう!!」:永井小学校1年生 土田朝日さん

3歳のころから盛岡山車を見るのが大好きだという土田さん。山車についてもっと詳しくなりたいという思いから、その歴史や作法、演題などについてまとめた研究作品です。

江戸時代~令和の現在まで、各時代の山車の特徴を詳細にまとめています。また、実際に山車を展示している施設に行って観察し、盛岡山車には作法(装飾の様式など)がある事についても追及しており、山車を見ている自分の絵など、盛岡山車に対する愛情が詰まっています。

 

【優秀賞】

「盛岡の礎を築いた南部氏」:仙北小学校6年生 兼平櫂さん

私たちが暮らす盛岡の礎を築いた盛岡南部氏をテーマにした研究作品です。

大人でも難しいこのテーマを、歴史には「諸説」がある事を理解した上で、丁寧にまとめられています。「南部氏と関りのあった人たち」も、南部氏を軸に置いた人物相関が非常に興味深いです。また、「今に残る南部」をテーマにフィールドワークを行っているなど、今後の研究への期待が高まります。

 

【館長賞】

「盛岡弁でがんす」:北厨川小学校4年生 櫻田真尋さん

盛岡弁の意味や使い方を調べる事で、盛岡弁の魅力を伝える研究作品です。見事に館長 畑中美耶子の心を射止めました。

同じ意味の言葉でも、より丁寧な話し方・言葉遣いの作法がある盛岡弁。この複雑さをよく調べてまとめています。また、本で調べるだけではなく、実際に町なかで盛岡弁を見つける試みがとてもおもしろい!職員たちも今度盛岡にどのくらいの盛岡弁にちなんだ看板などがあるか調べたくなりました。

 

【花咲賞(審査員特別賞)】

「あんどん」:岩手大学教育学部附属小学校2年生 高田祥希さん

モリガク始まって以来、初となるカテゴリー「工作」が登場しました!

都南歴史民俗資料館などを訪れ、実際に盛岡で昔使われていた「あんどん」を参考に、よく観察して作ったことが伝わってくる作品です。木を切るのが大変だったそうです。

中にはしっかり和ろうそくもセットされてあり、実に丁寧な仕上がりです。

 

応募してくださったみなさん全員に賞を贈りたいほど、すばらしい研究・作品の数々でした。

来年度ももりおか歴史文化館自由研究コンクール(モリガク)を開催する予定です。みなさんの研究・作品を今から楽しみにしています。

これからも私たちの盛岡を一緒に学問していきましょう!

 

<第3回もりおか歴史文化館自由研究コンクール応募作品>※表記は応募用紙ママ

「南部家の家紋は何故鶴なのか?」:城南小学校1年生 村上禎幸さん

「もりおかだしはかせになろう!!」:永井小学校1年生 土田朝日さん

「らかん公園のなぞ」:岩手大学教育学部附属小学校2年生 鈴木彩花さん

「あんどん」:岩手大学教育学部附属小学校2年生 高田祥希さん

「ぼくのしらべたもりおか」:桜城小学校2年生 菊地仁志さん

「お金のれきし」:岩手大学教育学部附属小学校3年生 飯塚聖さん

「県外のおじいちゃんに教える盛岡のステキな所10コ」城北小学校3年生 元村彩葉さん

「いわての染めものマジック ―南部紫根染―」:飯岡小学校3年生 相浦美咲さん

「盛岡弁がんす」:北厨川小学校4年生 櫻田真尋さん

「盛岡の歌人である石川啄木について知る」:仙北小学校4年生 兼平彩羽さん

「石割桜の大研究」:城南小学校4年生 岡田隼さん

「盛岡の歴史 ―地名の由来とお城について―」::岩手大学教育学部附属小学校4年生 石黒裕仁さん

「盛岡の先人 トップ5」:都南東小学校5年生 藤原彩友香さん

「南部氏はなぜ盛岡を本拠地に?」:大新小学校6年生 小野愛太郎さん

「盛岡の礎を築いた南部氏」:仙北小学校6年生 兼平櫂さん

 

事業推進グループ:小西治子