館長就任の御挨拶

 このたび、柴田館長のあとを受け、もりおか歴史文化館館長に就任いたしました。

 ご存じのように、盛岡のまちづくりは16世紀末の盛岡城築城とともに始まりました。以来四百有余年、幾度も大きな時代の荒波にもまれながらも、盛岡のまちは常に盛岡城あるいは盛岡城跡を中心につくられてきました。そしてこれからも同様、盛岡のまちは盛岡城跡を中心につくられていくだろうと私は思っています。

 もりおか歴史文化館は、平成23年7月、盛岡城跡公園の一角に開館しました。『「もりおか・城と城下町フィールドミュージアム」都市・盛岡のルーツを探り、未来のまちづくりへつなげる拠点施設』をコンセプトに、盛岡城跡と城下町を屋外展示場としてとらえ、地域への広がるミュージアムづくり、活動を展開してきています。

 盛岡のこれまでのまちづくりの歩み、そして未来に向けてのまちづくりを考える時、私はこのコンセプトをしっかりと受け止め、盛岡の歴史や文化に関する資料を収集・保存・公開する施設として、そしてまた「歩いて楽しむまち盛岡」の観光・交流拠点として、開かれたミュージアムづくりに全力を傾けてまいります。

 特にも、盛岡城跡と館の一体化に向けた取組を進めてまいりたいと思います。史跡盛岡城跡の持っている文化的価値、文化資源の魅力をわかりやすく紹介し、常にその魅力に触れることができるよう工夫をし、史跡盛岡城跡と一体となった魅力的な空間づくりを目指してまいります。折しも、三ノ丸の石垣修復工事も佳境を迎えておりますし、今年は盛岡城が解体されて150年の節目の年となります。史跡盛岡城跡の価値についてもっと触れる機会をつくってまいりたいと思います。

 是非、もりおか歴史文化館にお越しいただき、もりおか歴史文化館から盛岡城跡へ、さらには城下町エリアへの足を運んでいただければ幸甚に存じます。皆さまのご来館を館員一同よりお待ちしております。

 

2024年5月1日

もりおか歴史文化館

館長 熊谷俊彦