もりおか歴史文化館は、旧岩手県立図書館の建物を増改築し、平成23年7月、盛岡城跡公園(岩手公園)の一角に開館しました。盛岡城跡と城下町(中心市街地)を一つの大きな博物館(フィールドミュージアム)ととらえて、その活性化に貢献することをめざしています。 歴史や文化に関する資料を収集・保存・公開する社会教育施設として、「歩いて楽しむまち盛岡」の新たな観光・交流拠点として、開かれたミュージアムづくりに努めていきます。
ごあいさつ

柴田道明(しばたみちあき)
プロフィール
略歴
昭和32年生まれ | 岩手県出身 |
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昭和55年 | 岩手大学農学部卒業 |
盛岡市採用 産業部農林課勤務 | |
平成20年 | 総務部職員課長兼能力開発室長就任 |
平成23年 | 保険福祉部次長兼次世代育成支援事務局長就任 |
平成24年 | 教育委員会事務局教育次長就任 |
平成26年 | 総務部長就任 |
平成30年 | 盛岡市副市長就任 |
令和4年 | もりおか歴史文化館長就任 |
ようこそ もりおか歴史文化館のホームページへ
「南部盛岡は日本一美しい国でござんす。西に岩手山がそびえ、東には早池峰。北には姫神山。城下を流れる中津川は北上川に合わさって豊かな流れになり申す。」
直木賞作家浅田次郎氏の小説『壬生義士伝』(文藝春秋、2000)の中で、貧しさゆえに脱藩し、新選組隊士となった主人公吉村貫一郎が故郷の盛岡と残してきた妻子を想って仲間の隊士たちに語る言葉です。
慶長3年(1598年)(慶長2年説もあり)南部家26代南部信直(盛岡藩初代藩主)が、不来方(こずかた)と呼ばれていたこの地に居城を定め、築城を開始しました。信直の死後は、嫡子の2代藩主利直に引き継がれ、3代藩主重直の代に一応の完成をみました。以後、明治元年(1868)まで、歴代藩主の居城として存続し、盛岡は、南部氏盛岡藩の城下町として、その歴史と文化を育んできました。もりおか歴史文化館は、この国指定史跡盛岡城跡に隣接して立地しております。
もりおか歴史文化館の収蔵資料約6万点のうち、約4万点が南部家ゆかりの品々です。歴代藩主や女性たちが使用した、武具・衣装・文書・書画など多岐にわたっており、当時の大名家の文化や歴史、時代背景などを知る上で重要なものとなっております。これらのコレクションは、歴史常設展示のほか、企画展やテーマ展で御覧いただけます。
そのいくつかを御紹介しましょう。甲冑の展示は、まるで武将が着用しているかのような演出で迫力があると好評を得ております。NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」(2014年)の黒田官兵衛孝高(如水)所用の「銀白檀塗合子形兜」の実物を所蔵していることには皆さん驚かれます。南部家が所蔵することとなったいきさつも興味深いものがあります。「盛岡藩家老席雑書」は、265年続く江戸時代の中で、約200年分の盛岡藩の歴史が分かる貴重な文書で、翻刻出版事業も全50巻をもって完了する予定です。「盛岡城模型」は、石垣のみ現存する盛岡城跡を散策する際に往時が偲ばれると人気です。
歴史展示以外にも、盛岡を代表する祭りである「チャグチャグ馬コ」、「盛岡さんさ踊り」や「盛岡秋まつりの山車」の常設展示もあり、地域に息づく伝統文化の魅力を体感できます。
また、 もりおか歴史文化館は、まちなか観光の拠点としての役割を担っております。館内では、観光情報の提供や物産の紹介・販売を行うほか、休憩スペースもありますので、ここを拠点に、盛岡城跡を散策したり、まちの各所に残る城下町の風情を楽しんだりと、市内の観光スポットを巡っていただけます。
このように、もりおか歴史文化館は、歴史に興味のある方はもとより、どなたにでも楽しんでいただける施設となっております。多くの皆様の御来館を心からお待ち申し上げております。
柴田 道明
当館のめざす役割

コンセプト
もりおか歴史文化館を中心に、盛岡城跡と城下町(中心市街地)を屋外展示としてとらえ、地域へと広がるミュージアムづくり、活動展開を実施します。
歴史的・文化的背景を活かした都市型ミュージアムとしての整備
これからの施設は、自らの時間を豊かに過ごそうとする市民のニーズに応える施設であることが重要な要素となります。都市・盛岡の中心地に位置するもりおか歴史文化館は、豊かな歴史的環境を活かした学びの場としての魅力とともに、飲食スペースや交流スペースなどサービス施設の充実、個性ある活動など、施設の開放性とともに魅力あふれる都市型施設を目指します。
「最大の展示物」である盛岡城跡と一体化した運用で
新たな観光スポットとしての活性化を図る
近世盛岡藩の中心という歴史的な意味合いとともに盛岡発祥の地として、盛岡城跡のシンボル性を最大限に活かし、城跡を「最大の展示物」としてとらえ、積極的に展示や事業に取り入れ、館と一体化した展開を図ることを目指します。もりおか歴史文化館から城跡へ、さらに城下町エリアへと、一体感と広がりを持たせた活動展開を想定し、中心施設を起点に人が集い、動き、周遊する、「歴史文化館」と「城」と「城下町」が幾重にも相乗効果を発揮することをねらいとし、盛岡城跡をさらに魅力的な観光スポットとして活性化することを目指します。
歴史の足跡が残る中心市街地を「城下町フィールドミュージアム」として整備
城下町として築かれた町割りを基礎に、重層的な時代の息吹が感じられる「町すじ」「町かど」「歴史的景観」などの盛岡の都市構造や中津川流域、旧奥州道中筋の町並みなど、もりおか歴史文化館を中心に広がる周辺城下町エリアをフィールドミュージアムの「屋外展示」として位置付け、未来のまちづくりへと連動させることを目指します。歴史文化館から城下町エリアへの広がりを活動のあらゆる面で意識し、中心市街地の活性化を目指します。市の中心に位置する城下町エリアを活性化させることで、広域圏を含め、市全体が活性化することが期待され、歴史文化館はその重要な役割を果たします。
